喫煙と歯周病
2015.12.19
大阪府東大阪市 大阪入れ歯・義歯センター 歯科助手の前川です。
今日は歯周病と喫煙の関係性についてお話しします。タバコは3大有害物質(ニコチン、タール、一酸化炭素)をはじめとして、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質、50種類以上の発がん物質が含まれています。喫煙者は、がん、心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息、歯周病などの病気になりやすく、かつ進行が早いことが知られています。喫煙は歯周組織(骨や歯肉)を激しく破壊し、喫煙者は非喫煙者に比べ2~8倍で歯周病にかかりやすくなります。このような喫煙に起因したケースは「喫煙関連歯周炎」と分類され、その治癒には禁煙が必須となります。
ニコチンの強力な血管収縮作用や一酸化炭素の素粒子の作用により、歯肉が炎症を起こしても出血が抑えられ表面が硬くゴツゴツした状態になってしまいます。また、血管収縮による血流低下や、一酸化炭素とヘモグロビンの結合による体内の酸素不足により、必要な栄養分(ビタミンC)や酸素が歯肉まで十分に供給されず、口腔内の諸組織が栄養失調状態になり、活性化も阻害されてしまいます。
さらに、喫煙者では唾液の分泌量が低下するため、細菌の繁殖を抑えづらくなり、歯垢や歯石が増えてしまいます。このような作用により、喫煙者は歯周病にかかりやすく、かつ治りも悪くなってしまうのです。
またタバコを吸わない人が、漂う不完全燃焼のタバコ煙を吸わされることを「受動喫煙」といいます。この煙は有害物質の濃度が高く、様々な健康障害を引き起こします。職場や家庭における慢性的な受動喫煙は、肺がんや心筋梗塞にかかりやすくし、死亡率を高めます。また、妊婦の受動喫煙は早産や乳幼児突然死の原因ともなります。さらには、子供の喘息や知能低下にも大きな影響を与えることが知られています。
口腔内においては、親が喫煙者の場合、受動喫煙により子供の歯肉のメラニン色素沈着(歯肉の黒色化)の比率が高くなることが報告されています。
当院では喫煙者の患者様に禁煙外来のご紹介もできますのでお気軽にご相談下さい。
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